GTMのDTMで作曲な日々

GTMがDTMで日々作曲をしながら、発見したことをつづります。

ハープのグリッサンドの打ち込み方🛸ーDTMで作曲ー

 

こんにちは。DTMで日々作曲を楽しんでいる、作曲家・サウンドクリエイターのGTMです。

  

今日は、DTMや作曲の初心者の方向けに、「ハープのグリッサンドの打ち込み方・作曲の仕方」のポイントを書きます。お役立ていただけたらうれしいです。

 

DTMで、ハープのグリッサンドを演奏させるとき、MIDI鍵盤を、ピアノのグリッサンドと同じように、白鍵だけグリッサンドして弾いて打ち込んでも良いのですが、もっとハープらしくきれいに響かせる打ち込み方があります。

 

というわけで、筆者が音大作曲科時代に、けっこう苦戦して、本を読んだり、作曲の師匠に教わったりして覚えた、ハープをハープらしくきれいに響かせる方法を、簡単に書いてみたいと思います。久々に、かつて熟読していた分厚い管弦楽法の本や 音楽辞典を読み返して、この記事を書いています。

 

いきなり本題に入る前に、ハープを打ち込むときに、最低限知っておくと良いことがありますので、簡潔に順番に、説明してから本題に入ります。

 

まずは、ハープの仕組みから理解するのがポイント。

1、ハープは、弦が47本くらい張ってあって、ふつう、変ハ長調(C♭メジャー)にチューニングします。

 

そして、ハープの楽器本体の足元の部分には、ペダルが7つ、ついています。そのペダルを踏むことで、♭ ♮ # を作ります。

左足でシ・ド・レ、右足でミ・フ・ァ・ソ・ラ、のペダルを操作します。

 

2、7つのペダルは、それぞれ、ペダルを操作すると、すべての同じ名前の音に作用します。

例えば、曲の途中、ペダルで、♮ドの音を、#ドに変えたら、ハープ全部の弦の、ドの音が、ド#に変わります。

 

3、というわけで、ハープの演奏者は、曲中でペダルを操作しながら、演奏している、ということを頭に入れて打ち込むと、実際のハープらしい響きに近づきます。

 

 

4、そして、ここがポイント!

ハープのグリッサンドを打ち込むときのコツは、「隣り合う2弦を異名同音調弦する音を、含ませる」ことです。

異名同音とは、#ド=♭レ、#シ=♮ド、#ソ=♭ラ、のような、名前は異なるけれど、耳に聞こえてくるのは同じ音のことです。ピアノで弾くなら同じ鍵盤の音になります。

 

例えば、・レ・#ミ・ファ#ソ・♭ラ#シ、(アンダーラインの音が異名同音)のように、なるべく多く異名同音を含ませるように、グリッサンドを打ち込みます。

この時、コード感も出てくるので、グリッサンドする瞬間のコードも、頭に入れて作ります。

 

ハープはピアノと違って、異名同音であっても、二つの音に微妙な振動数の差ができるので、それが全体的に豊かな響きになります。それを活かして作曲すると、楽器の良いところが出せた良いアレンジになります。

 

注意点としては、ハープでは、ダブルシャープとダブルフラットは演奏できないので、ダブルシャープとダブルフラットは使わないようにすることです。ハープの演奏経験が無く、知識を駆使して作る作曲家としては、ついやってしまいがちな失敗となります。DTMではそんなに気にすることは無いかもしれませんが、作品を実際に演奏してもらう場合は、気を付けた方が良いかと思います。

 

 

ハープのグリッサンドを打ち込んだ実際のピアノロールの画像を、以下に貼ります。

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白鍵のみで打ち込んだらこんな感じになります。これでも悪くはありませんが。

 

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上のグリッサンドを、異名同音を多く含むように打ち込み直すと、こんな感じになります。白鍵のみのグリッサンドと比較すると、こちらのほうが、よりハープらしい響きがします。

 

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これは、筆者が最近作った曲の中の、グリッサンド部分です。

 

ちなみに、ハープ本来のきれいな響きを生かしたいのであれば、ペダルを踏まなくてすむように作曲すると良いです。ペダルを踏まない素のままの音が、いちばんきれいに響くそうです。(つまり、♭Cメジャー=♭7つの調号、になるべく近くなるよう、調号に♭が多く付いている調で作曲するということです)

 

筆者も音大時代に2台ハープと弦楽四重奏の曲を作り、実際に演奏してもらいましたが、♭がたくさん付いた調で作ったことを覚えています。ハープが主役の曲なので良かったかとは思いますが、弦楽器は♭の多い調は、演奏者にもあまり好まれません。弦楽器は#系の調のほうが楽器の響きが生かせます。アレンジの中で何をメインに聞かせたいかで、曲の調を選ぶと良いかなと思います。

もちろんDTMで完結させる作品であれば、あまり関係ないかもしれませんが。しかし、実際に演奏することを考慮しながら作曲するほうが、より本物の演奏には近づけると思います。

 

上の画像でご紹介した、ハープのグリッサンドを使って、筆者GTMが作った曲です。ハープのグリッサンドは一瞬ですが、サビ直前の盛り上がる部分を華やかにしています。

 

こちらの曲も、曲の最後の部分を、豪華な雰囲気にするため、ハープのグリッサンドを、隠し味風に入れています。

 

 

アレンジにハープを入れると、曲がぐっと華やかになります✨ハリウッド映画やディズニーの音楽のように華やかで壮大なオーケストラでも、よく聞くとハープが大活躍しています。

この記事で書いた、ハープの簡単な仕組みと、グリッサンドの打ち込み方を覚えるだけで、ハープの打ち込みはだいたい完璧にできるかと思います。

曲の中でいろいろ試して、ハープの響きを楽しんでみてはいかがでしょうか😸

 

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