GTMのDTMで作曲な日々

GTMがDTMで日々作曲をしながら、発見したことをつづります。

DTMでオーケストラ曲のミックス、マスタリング作業中。ストリングスの音が抜ける方法について考えた。

今日も、最後のミックス、マスタリング作業をしていました。納得のいかないところがたくさん出てきて、何度も直しています。もう少しで完成です。

 

オーケストラをミックス、マスタリングするのは、すごく難しいです。せっかく打ち込んだ音が、そのままでは全く聞こえなかったりします。何とかあきらめずに曲の良さを出そうと、知恵をふり絞って、試行錯誤を繰り返しています。

 

さて、今日は、今回の音楽制作での試行錯誤で見つけた、問題解決法を書きます。

 

問題は、オーケストラの中で、ストリングスの音が埋もれてしまい、ほとんど聞こえない。というものです。

 

ちなみに今作っている曲の編成は、箏、バンスリなどのインドの楽器と、木管金管、弦楽5部のオーケストラと、ドラム、ベース、シンセサイザーです。

 

オーケストラの中で、ストリングスの音が抜けるようにする方法

1、ストリングスの音源を、2種類重ねる。

2、弦楽5部(ヴァイオリン1、ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)のそれぞれのトラックに、EQ、コンプを挿したあと、imagerを挿して少しだけ響きの幅を狭める。

3、グループチャンネルトラックに、曲中で特に必要な場面のみ、transient shaperを挿す。

 

1つずつ詳しく書きます。

1、VIENNAのストリングス音源と、SESSION STRINGS PRO2の音源を、重ねて使いました。VIENNAは柔らかく透明感のある音、SESSION STRINGS PRO2は音が前に出てくるような線が明確な音です。2つを重ねることで、本物のオーケストラのような多人数での演奏に近づけます。

 

 

2、EQ、コンプの後に、imagerを挿し、音の幅を少しだけ狭めます。

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↑ このような感じで、少しだけ、音の拡散を押さえます。こうすることで、それぞれのトラックの音の動きが明確になります。

 

3、グループチャンネルトラックで2つのストリングスをまとめます。

弦がこすれる音が出るような、激しく力強い場面で、その迫力が全く無かったので、Transient Shaperを挿しました。曲全体ではなく、必要な場面のみ効果がかかるように、オートメーションでバイパスのオンオフを書いています。

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↑ このような感じで、中域と低域のアタック感を、けっこう強めに設定しました。

こうすることで、曲の中で完全に埋もれていた弦の躍動感が、前に浮かびあがってきました。

 

ちなみに、グループチャンネルトラックのEQは、こんな感じで設定しています。

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曲の主役は箏と笛なので、2kHz付近を思い切って削っています。力強く激しいアタック感を出すために中低域は少し持ち上げています。

両サイドにヴァイオリン1とヴァイオリン2を配置し、中央にその他の低音楽器を配置しているため、中央とサイドは異なる設定にしています。

 

 

あれこれ考えて試して、このような方法で、なんとかストリングスの音が前に出てきました。

DTMでオーケストラを作るのって、やっぱり本物の楽器じゃないから、それぞれのパートが分離して聞こえるようにするのは、無理なのかなあ」と、弱気に思うこともありました。

しかし今回、持っているプラグインを総動員してあれこれと考え、駆使したら、かなり自分の理想とする音のイメージに、近づきました

 

 

あきらめずに粘ってみることって大切なんだな~と、わかりました。

皆様のお役に立てる、質のいい曲が作れるように、明日も楽しみながら作業をします。